『Shadow Corridor 影の回廊』をトロコンしたのでレビュー! いやー長かった。
どんなゲーム?
一言で言うと「毎回ランダムのマップで鬼ごっこするゲーム」。
「徘徊者」と呼ばれる敵から逃げ隠れつつ、「勾玉」を一定数集めてゴール地点にたどり着くというのが一連の流れ。まぁ勾玉がなくて一本道のステージもあるんだけど。
基本的にマップは5×5の区画で区切られており、区画の配置は毎回ランダムになる。区画内の部屋そのものは固定なので慣れてくると「この部屋の勾玉はあそこ」とわかるようになる。
勾玉は大抵の場合、カギのかかった部屋に入っていて、カギを手に入れるためにも一直線に走るだけではなく傍の部屋を探索する必要があったりする。
しかしのんびり探索できるというわけではなく、マップの随所を徘徊者がうろついているため、プレイヤーは気をつけながら素早く部屋を漁る必要があるし、時には隠れる必要がある。
基本的にプレイヤーは敵を倒すということはできないが、アイテムの「爆竹」を使って敵を誘導したり、「カメラ」のフラッシュを使って一時的に足止めするということが可能。
この爆竹による誘導がキモで、遠くへ誘導するだけではなく、走る足音を消すためにつかったり、鍵がかかった部屋の中に誘導することで徘徊者にドアを破壊させることができる。
なので徘徊者を呼び寄せるリスクとともにカギがなくとも扉を開けれるリターンをうまく取捨選択していかなければならない。
つまり、敵は怖いけど勇気を出せば利用することもできるし、それが必要になってくる。ただ逃げ隠れするだけじゃない塩梅があるのがShadow Corridor。
で、怖いのか?
すげー怖い。
まぁそもそも私はホラーゲームが苦手なので大抵のゲームで恐怖を感じるんですが、まぁそれでも怖かった。
具体的にどこが怖いかと言うと、雰囲気が怖いし、見つかった時の演出が怖い。その2点。
グラフィックがチープに見えると思う。
私も最初は友人のシェアプレイを見て「なにこのゲームw全然怖くなさそうじゃんw買ったら秒速でクリアできるわ(フラグ)」というノリで買ったのですが、素直に後悔した。このチープさ恐怖を助長してくる。
どれくらい怖かったかと言うと敵が近づいてきたときの心拍数が120bpmを超えてた(Apple Watch調べ)。
ちなみにこれは若い人で言うところのダイエットに最適な心拍数らしいです。プレイするだけで痩せれるなんていいゲームですね☺️
まぁしかし、怖いながらも楽しかったのでトロコンまでプレイできました。プレイ中の不健康感は拭えませんでしたが。
楽しめる運ゲー
プレイ毎にマップの構造がランダムになり、徘徊者が適当に動き回る都合上、よくも悪くも運ゲーです。
同じステージ同じ難易度でも敵やマップの配置が異なるのである時はめちゃくちゃ徘徊者に遭遇するし勾玉も手に入らないけど、やりなおしたら徘徊者には出会わない勾玉もスムーズに手に入った……ということはザラです。
しかも順調に行ってると思いきや、徘徊者に見つかって逃げた先に徘徊者がいて詰み……とかも結構あります。
まぁそれもこのゲームの一幕なので、それはそれでおもしろいです。
つまり、トライ&エラーでどのステージも突破できます。トライするのが怖いからやりたくないんだけどな!
ランダム性に関してはやり直すたびにまったく違うドキドキ感を得られるので全然良いと思います。むしろそこら辺が完全に固定だったら絶対つまらないと思う。
難易度も「初心者」「挑戦者」「修羅」の3段階があるので、本当に怖い人は初心者でも楽しめるし、やり込む人は修羅でも難しいと思います。難易度と恐怖のバランス調整はいいと思います。
とくに修羅は恐怖との戦いですが、自分の勇気と知識が武器です。
ちなみにラストステージはノーマルルートにしてもトゥルールートにしても大して怖くなくある意味作業寄りというか、なんかホラーゲームじゃないなぁと言う感じでした。
ホラーゲームにありがちな、最後は化け物をロケットランチャーで吹き飛ばす的な。まぁそれはそれでカタルシスがあるのでいいと思います。ホラーではないにしろ、必要な終わり方かと。
トロコンは苦行
が、トロコンをしようとすると極端に難易度が上がります。
各マップにあるギミックなど、このゲームはある程度周回して覚えることが前提になっています。死に覚えゲーというほどではありませんし、初見殺しというほどでもないですが、初見ビビらせが多いゲームです。(回廊型ではない、一本道ステージでは初見殺しも多いですが、そういうところはチェックポイントで直前に復帰できることが多いので親切です)
何度も同じステージをやりなおすことが前提であるのは良いのですが、トゥルーエンドを迎える条件とか、特定のアイテムを手に入れる条件だとか、そこらへんは何度も周回すれば自然とわかるというものではないです。どうしても攻略サイトを見ないとわからないようになってるのは個人的に好きではないです。
(絶対わからないということでもないが、ヒントなしだと見つけられらない人も多いと思う。というかこんな怖いゲームを何度も周回したくない)
せめてゲーム中にそれとわかるヒントがあればいいのですが、そういうのもなく。
あと、あるステージでは迷路型の場所で追っ手から逃げるシーンがあるのですが通常難易度では存在する道案内が最高難易度では存在しないので完全に覚えゲーになっているというものは考えものです(
まぁ怖がりながらのトライ&エラーが前提のゲームなので、そういう調整なのかもしれませんが、結局ホラーゲームでトライ&エラーを繰り返すと怖さに私は攻略動画を見ながらクリアした)
トライ&エラーが前提のゲームといえど、何度も繰り返すとす慣れて作業ゲーになってしまうので、そういう意味でヒントが欲しかったです。
「アーカイブ」と言う収集要素もあったので、ここは惜しいな〜と思います。
まぁ幸い(?)にして攻略サイトを見ても怖いものは怖いので、ふだんそういうサイトを見ない人も困ったら見るくらいがちょうどいいのではないでしょうか。
が、おまけのミニゲームは許さん。
おまけのミニゲームの「徘徊者でGO!」はその名の通りプレイヤーが徘徊者となって探索者たる人間をぶちのめすゲームなのですが、これが難しい上に運ゲー。いやそう書くと本編と一緒なのですが、やりたいのはホラーゲームであってこんなよくわからんゲームじゃない……。
まぁ難しいだけならいいんですが、これの絶許ポイントはこのミニゲームのトロフィーを手に入れるのが難しい上に覚えゲーでさらに運ゲーということ。
具体的に言うとミニゲーム1つに5時間くらいかかった。プリコネのストーリー眺めながら虚無の精神でプレイしてた。むしろプリコネを見ながらShadow Corridorしてたのか、Shadow Corridorしながらプリコネをしてたのかよくわからないですね。
総評
2000円台のインディーゲームでしたが、値段を上回るボリューム。
音量調整やら難易度調整がいくらか雑という不満もないことはないでしたが、概ね買って後悔はないゲームだと思います。怖すぎてプレイしたくなくなるということを除けば。
グラがチープで全然怖くないな、と思った人はぜひ騙されたと思って買ってみてください。私は騙されました。
でもホラーゲームが苦手な私でも(怖くて期間が空いた時期はあったけど)トロコンまでプレイするほどには熱中したので本当にオススメです。夏と言わず今すぐやりましょう。
クリアして、一時期このゲームへの耐性というか、あまりプレイに関して強い恐怖を感じなくなった時期がだあったのですが、でもそこからがこのゲームの本番じゃないかなと思います。
慣れててもどうしてもビックリする場面はありますし、タイムアタックや収集物あつめなど色々な要素があるので、最後まで飽きることなく走り切ることができるんじゃないでしょうか(ミニゲームは苦行でしたが)。
少なくとも、怖くて進めない場面があっても何故か進もうと言う気持ちが湧いてくる不思議な作品でした。
ホラーゲーム苦手な私でも最後まで逃げずに完走できたのはこの不思議な魅力のおかげだと思います。
ちなみに私が完全にクリアしたと言うまでの期間ですが、最初のチュートリアルクリアのトロフィーが2020年5月で、最後のトロフィー取得が2021年1月です。俺はShadow Corridowから逃げなかった。君もShadow Cordidowから逃げるな。