『プロジェクト・ニンバス Code:MIRAI』レビュー!何もかも大味すぎ

アクション
プロジェクト・ニンバス:CODE MIRAI_20171123165955

Project Nimbus Code:MIRAIをトロコンしたのでレビューします。

どんなゲームかを一言で言うなら、高速でぶんぶん空を飛び回ってガンガン攻撃を当てまくるハイスピードアクションロボットゲーム。

プロジェクト・ニンバス: CODE MIRAI 公式アナウンスメント トレーラー

概要

巷ではアーマードコアライクと言われているけれど、空戦がメインなのでどっちかというとA.C.E.シリーズに近いかな。


PVを見てわかる通りに、「ロボット系の作品で好きなシーンをこれでもかってくらい詰め込んで見たぜ!」みたいな作品。その方針は嫌いじゃない。

流れとしてはCoDのようにブリーフィング → ミッションという感じ。
ロードは早いのでかなりテンポよく進めることができる。

操作するキャラクターはちょいちょい代わり、各陣営で異なる視点のプレイをすることでストーリーを追っていく。
機体についてはカスタマイズやアセンブリこそないものの、キャラクターが変わることで機体も変わるためにステージごとに違う機体を使うことができる。

戦闘はブースターに残量こそあるものの、0%になるまで吹かさなければ基本的に即時回復なのでうたい文句通りの高速戦闘が味わえる。


ストーリーとしては第3字世界大戦を経たのち、地上が汚染で住めなくなった人類は空に居を構える構えることになった。
ストーリーの最初は地上に住んでいる反乱軍的な存在と戦うが、後半は西側と東側の陣営でドンパチすることになる。

機体は第3世代が主力で、主役機は第4世代のエース機となる。定義が曖昧なのでなんともいえないが、第4世代はおよそ神経で接続して操作する武装が使われるようだ。


さて、そんなハイスピードロボットアクションゲームだが、全体としていまひとつ、という点が目立った。

ゲームプレイ

このゲームの戦闘はおおよそ高速で移動する敵に高速で接近・離脱を繰り返してできるだけ攻撃を避けつつ当てる、という流れになるだろう。

敵の攻撃は主に機銃かミサイルかのどちらかで、機銃は動いていればそうそう当たらないのだが、ミサイルはかなり誘導するのでL3でチャフを巻くか、急旋回のブーストで回避するかの2択となる。

ブーストを吹かし続けてミサイルを避けるゲーム性というのは評価に値するだろう。慣れないうちはチャフを出して避けるか、離れ続けて射程から逃れるかの2択となると思うが、慣れたら急旋回によって糸を縫うように避けれる。プレイしていて気持ちいい。
ただし敵がいるなら常にミサイルアラートが鳴り続けるほどに撃たれまくるので、絶え間なく来るミサイルを避け続ける、というのが楽しめるかは人次第かな。

しかし高速戦闘であることの楽しみが敵のミサイルや弾幕を避けるくらいで、こちらの攻撃はというとお互い高速で動いてるので結構避けられる。

基本的に攻撃はミサイルやライフルをロックオンしてバラ撒くだけで、高速で動いている相手に当たるかどうかは結構運ゲー。
確実に当てる方法としては格闘で接近(ホーミング + 加速で一番の接近法)し、弾をばら撒くというゴリ押しプレイがあるが、ほぼ必ず反撃を食らうので爽快感があるかと言われると微妙。
同じようなゲームのエースコンバットであれば後ろを取って軸に合わせて射撃をすれば当てれる!という戦いが楽しめるのだけれど敵もこちらも縦横無尽に動けるためそんな要素はない。

一応、敵にミサイルを少量撃ってフレアを焚かせたあと、本命のミサイルを叩きこむというタクティカルな要素もなくはないけれど、それをするぐらいだったら何も考えずにバラまいた方が早い。

また、異なる陣営で異なる機体を扱う、と書いたがこの仕様はもうちょっと考えて欲しかった。というのも主役機(というか第4世代機)は圧倒的に強いのだが、それ以外の旧式を扱うとなると途端に弱くなる。
特にこのゲームは機銃が死んでいる(命中率が低く、単発高威力の武装にDPSで負けるので使う必要がない)ので、単発高威力の武装がない機体を使うのは本当に苦痛だった。

戦闘中の効果音も気になる。はっきり言うが軽い。
敵も味方も戦闘中に喋ることはあまりないのですごく淡々と敵を撃ち落とすだけ。熱い掛け合い、飛び交う弾幕、鳴り響くロックオンアラートとか期待していましたが、軽い効果音と喋らないキャラクターのおかげでものすごく淡白な味わいに。
掛け合いに関しては終盤になると思い出したかのように始まりますが、後述するストーリーの薄っぺらさで置いてけぼり感が否めない。

また、CPUもお世辞にも良い出来とはいえない。味方のCPUは戦闘不能になった敵キャラを追いかけ回すし、護衛対象は敵に突っ込む。

ボス含め敵のパターンは基本的には『ほとんど動かず弾を垂れ流してくる』『適度に距離を取って弾をバラまいてくる』『めちゃくちゃ距離をとって遠距離からチクチクしてくる』の3パターン程度しかない。ブースターを適当にグリグリしていたら避けれるので敵によって戦術を変えるということはあまりない。

その中でも『距離を取って遠距離からチクチクしてくる』パターンのボスは最悪で、追いかけても同じくらいの速度で逃げるので追いつくこともできず、しかも下手すりゃ戦闘エリア外まで逃げられる。ここまでくると爽快感なんてあったもんじゃない。

敵配置も練りこみが足りない。
護衛対象の目の前に急にスポーンする敵がいたり(護衛対象ノーダメージがトロフィー獲得条件でこれはやめてほしい)、
地上の目標はお互い静止していても角度によっては当てられないし(高度を一定以上にできない制限 + ロックオン以外で狙う方法がない仕様でこれは本当にイライラした)。

操作性も良いとは言えず、むしろ悪いレベル。R2で射撃、R1でロックオン、△×で上昇下降、○で格闘、Rスティックで視線操作……と右手だけでもこれほどの忙しさ。
一部機体はタッチパッドで変形し戦闘機モードへ移行できるのですが、なぜかRスティックの上下が急に反転する(エースコンバットのような戦闘機ゲーでありがちな操縦桿を模した操作に急に変わる)。

L1を押すとバレットタイムと呼ばれるスローモーションモードへ移行できるのだけれど、敵の動きと同時にこちらの動きもスローモーションになるので特に爽快感があるわけではない。武器チェンジができるくらいか。

ちなみに難易度はイージー / ノーマル / ハードの3種類。
イージーとハードの違いは「操作がちょっと忙しい」と「敵が硬い」以外にない(おそらく)。ちなみにイージーは自動回復がある、と明記されてるがハードでも回復はする。
撃墜されることにペナルティがなく、撃墜されるとチェックポイントから + 体力全回復でスタートなのでハードでもそこまで難しくない。ゲームが苦手でもトライ&エラーでなんとかなる。

おまけモードとしてサバイバルモードがあるのだが、これは敵がまばらにやってきてそれを撃墜するだけなのではっきり言って難しくない上に、楽しくない。作業ゲーである。
waveが増すごとに敵が硬くなっていくので爽快感もない。

グラフィック

作中で一番でかい敵
作中で一番でかい敵

別に「ゲームの面白さはグラフィックで決まる!」とは言わないが、それでも最低限はしっかりとしてほしかった。

まず、非常に気になるのがあらゆるオブジェクトの縮尺がおかしいということ。交戦距離に対してロボットのサイズが小さいので基本的に自機以外の機体は全てマーカーに隠れる。マーカーをロックオンして撃つゲーム。戦艦がボスだとしてもほとんど機体とサイズが変わりません。

すごくわかりづらいと思うけど、これ艦の後ろに張り付いてるんですよ……
すごくわかりづらいと思うけど、これ艦の後ろに張り付いてるんですよ……

そしてロボット以外のオブジェクトが基本的に小さい。**ボス級の空中戦艦ですらロボットと同程度のサイズしかない。
**強大な敵など……存在しない……。

空中戦なので地形の影響を受けづらい上、ほとんどのマップで景色が代わり映えしない。宇宙・海の上・地表の3パターンで大きく変わることはない。お空きれい……

ちなみにすごく分かりづらい話を書きますが、たぶん内部解像度は900pくらいしかないです。なんかボケてるし……。

ロボデザインに関しては好みというものがあるのでなんともいえないが、個人的には可もなく不可もなくというぐらいか。
及第点ではあるけど、前述した縮尺の問題で戦闘中にデザインを楽しめることもないのは残念かな。

ストーリー

ストーリーは「あぁ、製作陣はロボット作品が本当に好きなんだな」というのがわかるような感じ。そこらへんはPVを見れば伝わると思う。

ロボゲーや戦争ゲーなどのオマージュがたっぷりで、それらを知っていると少しニヤリとできる。が、それだけだ。

ストーリーはありきたりで、どれも「どこかで見たことあるな……」としかいえない上、非常にぶつ切り。
ミッションはブリーフィング → 戦闘という順番で行われると書いたがこれ以外が全くない。日常パートが一切ない。つまりキャラの掘り下げが一切ない。あったとしても実りのないような会話だけ。

これ言ってるの中尉なんだぜ……?
これ言ってるの中尉なんだぜ……?

また、製作陣が何かに追われていたかのごとくとにかく話がスピーディ。ミッション終了 → ロードほとんどなしで次のブリーフィング開始(最初に所属を表すマークがチラッと出てくる) → 矢継ぎ早でミッション目的説明 → ミッション開始という感じで進んでいく。
テンポが良いのは結構なのだが、ハイスピードすぎて説明不足は否めない。
誰が1話と2話で数年の差があるって気付くんだろう。

キャラの掘り下げが一切ないので、感情移入ができないどころか「そもそも何をしたいのかわからない」レベル。
「あんな感情のない子がパイロットなんて……」「14歳の子を戦場に出すなんて……」とキャラが心配しているのに対し「心配ありません、目前の任務はこなします」と抑揚のない声でヒロインが返すシーンがあるのだが、その直後のミッションで「コックピットは外します。いいですね?」とか突然言い出す。ここまでくるとキャラが掴みづらい。

「製作陣の頭の中ではおそらく話と話の間にキャラクターが交友を深める会話があるんだろうな」というのはわかるのだが、それらが描写されることがないのは本当にどうなの?と思う。

キャラクターの掘り下げ以外に、ストーリー自体はどうなんだ、と言われるとこれまた微妙。というかキャラクターの話同様、ミッションブリーフィング以外の説明がないので局地的な話はともかく大局の話が全く見えない。
例えば「〇〇が何者かに△△された」という話があったとして「それにこのように対処しろ」というのは説明されるんだが、結局「何者」って誰なんだよという説明が一切ない。また、伏線の回収も一切ない。

ミッション自体も、「なんのために戦ってる」のかわからない。いや、ロボットアニメの主人公が「なんのために戦うんだ俺たちは……!」とか悩んでるのとは違くて「このミッション、なにしてるの?」という感じ。
ゲームを通してリアルなプレイヤーに戦う意義を説いてくるとは斬新。

「宇宙にSSTOを打ち上げるぜ!アメリカ軍が攻めてくるから守るぜ!」ってミッションがあるのだが、プレイヤーはロシア軍視点でこのミッションを成功させる。
その次は「宇宙にロシアのSSTOが上がってしまった……。先の攻撃は失敗してしまった。この攻撃は私たちしか成功できない!いくぞ!」と言って再度アメリカ側(の主人公チーム)が攻めるというミッション。
で、結局なんで攻めるんだろうというのは最後までわからなかった。というか2章に入って唐突に大国間で戦争が始まるのだが、これも本当に唐突。

「え、でもPVだと熱いセリフ言ってるよね、熱い展開があるんでしょ?」と思うかもしれないが、それに関しては開発者がテンプレのセリフと展開をただ並べているのをPVでまとめただけなので期待してはいけない。
作品が何かしらの作品のオマージュだけで成り立っているのでそれ以上の中身がない。

例を出すとPVに「ミサイルを撃つだけしか能がないのか!腕を見せろ!」と言ってくるやつがいるが、別にミサイルを撃たなくてもこのセリフは発生する。
ここら辺一つ一つに製作陣のこだわりを感じることができないのが本当に痛い。何の場面でも「これどこかで聞いたことあるセリフだな……」という感想以外がでてこなかった。

アニメ作品で言うなら「戦闘シーンだけ集めたダイジェスト」を見ている感覚で、戦闘に至るまでの葛藤や苦悶、信頼を築くエピソードなど一切ないので言葉一つ一つがすごい薄っぺらい。
製作陣が「こんなセリフと展開!ぜったいかっこいい!」と考えたものをただ何も考えず突っ込んだだけとしか思えない。

最大の問題はストーリーが完結していないということだろう。いや煽りとか抜きで、本当に完結してない。

これ書いてる現在(2017/11/24)、2章をクリアしたらスタッフロールが流れて終わりとなる。2章まででトロコンもできるから、現在はこれで終わりのはず。

Project Nimbus:Code Mirai (PS4) — GameTomo
Indie game publishers and developers in Tokyo, Japan.

ただ、あまりにもぶつ切り&ぶつ切りで進むストーリー、そして終わりもぶつ切りだったので???と感じ、調べてみたら公式サイトに以下の一文を発見した。

第1章及び第2章は日本語に対応。 第3章、第4章も鋭意製作中。

製品版なのに完結していないというのはDLC商法以上に斬新なのだが、というわけでこの作品は実質PS4プロジェクトニンバス(アーリーアクセス版)と考えていい。

回収されていない伏線などはそのうち追加されるかもしれないが、「そもそも完成してない作品を売るのはどうなの?」と声を大にして言いたい(せめてそういう一文が載ってるならともかく、PSN Storeのページには一切の記載がない)。

総評


アーリーアクセス版ということなら納得できるが、やはり完成品という名目で売られてるとなると作り込みが甘いという評価を下さざるを得ない。

2000円なので大きく文句をつけたくないのだが、「このゲームは全体的につまらないけど、ここだけは良かった!」と言える点が欲しいのも事実。

残念ながらこのゲームのアイデンティティはロボットを操作できること以外にない。だったら同じ値段でももっと良いゲームがあるよね、と思う。

俺も機体も燃え尽きた
俺も機体も燃え尽きた

ロボものが好きな人はおおよそ「ミリタリ好き」「SF好き」「熱血好き」の3要素を(程度の差はあれ)持っていると思うのだが、そのどの要素も残念ながら及第点に届いていなかった。

しかし開発元のGameTomoはSUPERHOTなどの作品も手がけているため、次作が発表されたときは期待を込めて注視したいと思う。GameTomoは国内パブリッシャーで、開発はGameCrafterTeamでした。

コメント

  1. 匿名 より:

    GameTomoは開発元ではなくパブリッシャーです。開発元はタイのGameCrafterTeamです。

  2. 匿名 より:

    steam版では3.4章作られて配信されてるから、PS4版もいずれ配信されるんだろうなぁ
    まだ完成作品じゃ)ないです。

  3. 匿名 より:

    同じ値段でもっと良いゲームがあるよね、とありましたが、こういうゲームに最近飢えているので是非教えていただきたいです!(出来ればPS4で!)

    • つるぎ より:

      ここで具体的に他のゲームの名前を挙げると「プロジェクトニンバスsage他のゲームage」という構図になってしまうので、申し訳ないのですがこの場では控えさせていただきます。

  4. 匿名 より:

    PS4でハイスピードメカアクション!ってんで期待して買ったけど正直微妙だった。

    弾は垂れ流して切れたら変えて垂れ流しての繰り返しだし
    ストーリーは勝手に盛り上がって勝手に終わってるし
    ミライちゃんの性格がガバガバ過ぎて感情移入出来ないし(筆者の言う通り何かしらの出来事があったんだろうけど)
    機関銃は無価値そのものだし…

    全体的に絶妙に微妙過ぎて
    ACにもZOEにも何者にもなれていない感じがした

  5. 匿名 より:

    「これがしたい」を実現したものがプロの作るゲームだとすると「こんな感じのことをしたい」を実現したのがこれ
    ゲーム性の軸が一本もないので、遊び様がない

  6. 匿名 より:

    あまりにフロムが新作出さないので買ってみたが、ゲームについてはだいたいブログ主と同意見。だが、比較される対象がエスコンやらアーマードコアの日本のA級タイトルということを考えると、インディーズながらその領域に果敢にも取り組んだ挑戦意欲を評価したい。プレイを眺めていた友人も、インディーズでこのレベルの3Dゲームが作れるのかと驚いていた。それを可能にしたUE4もすごい。2000円というインディーズにしてはやや高めな価格設定に内容が釣り合うか、と言われると悩んでしまうが、細部をブラッシュアップした次の作品への投資ということにしたい。

    あと、気になったのは萌え要素(キャラクターの絵とか)。それがいいかどうかは個人差はあると思うが、個人的な感想としては、別にあってもいいし、それ自体はマイナスじゃない、けれどもそこにかけるリソースを別に向けたら良かったとも思う。タイトルメニュー画面で放置することでしか見れないミライちゃんの3Dモデルとか作るんだったらCIWSとかの固定砲台のモデルをつくって欲しかった(ただ、これは製作者側の嗜好の問題でもあるとは思う)。

    総評としては、フロムは早くアーマードコアの新作出すんだよオラッという感じでした。