狐のお嫁ちゃんが可愛すぎてイケないケモナー道を歩き始めそう。
狐のお嫁ちゃん 1巻 Kindle版 (Batta) No.46より
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『狐のお嫁ちゃん』に出てくる嫁ちゃんはただの狐ではなく、化け狐である。本来の姿は狐であるのだけれど、人の世で生活するために人に化けているらしい。
舞台は日本で、時は現代、そして化け狐ということで、和風な要素が多い。私服は普通のお姉さんって感じだし、和服は似合ってるし、コテコテのフリフリ衣装なんてのは全く出ない。あくまでも「日本の日常 × 狐のお姉さん」という感じである。
ケモノ系の作品と言えば最近では「すごーい」「たのしー!」でお馴染みのけものフレンズがあるが、本作はそちらとは打って変わって人と変わらない感情を持つ狐とのラブコメ的日常を描く作品である。と言っても、人と狐という種族間の違いによる葛藤だとか、ドキドキハラハラの恋の駆け引きなんてものはなく、あくまでも嫁と旦那という夫婦の日常を描く作品である。デレデレな嫁ちゃんが可愛い。
狐のお嫁ちゃん 1巻 Kindle版 No.30より
しかし狐(ケモノ)要素がオマケであったり、設定が空気になったりということはない。
この本を読んで初めて知ったのだが、狐とはイヌ科の生き物らしい。嫁ちゃんにはそう言う意味でも犬っぽい、100の愛情を注いだら100の愛情で返してくれる可愛さがある。私も犬を飼っているのでよくわかる。
狐のお嫁ちゃん 1巻 Kindle版 No.102より
「少しくらい1人でも生活できる。心配するな → やっぱり寂しい」というシーン。
そしてそこに加わる狐の大人っぽさ。
年齢は300歳を超えているらしいが、狐界だと割と普通らしい。という訳でいわゆるロリババァという訳ではない。普通のお姉さんくらいの価値観だったり、弱いところを見せたりする。
本の表紙はなんとなくえっちぃ雰囲気で、ともすればR-18な本かと思うかもしれないが、それは大きな誤解である。中身は健全(?)でほのぼのな内容だ。まぁ、交尾しよう!とか言うセリフだったり交尾した描写だとかはあるけれど、それはまぁ、結婚してるヨメなので。愛情表現がド直球ストレートなのだ。
狐のお嫁ちゃん 1巻 Kindle版 No.42より
化け狐、ということで色々な姿になるのが本作の面白いところ。作中では幼女形態になって色々するということもあるので必見。あと、義妹の狩りに猟犬(狐だけど)として手伝うとか。
狐のお嫁ちゃん 1巻 Kindle版 No.59より
300歳越えの年齢設定は、地元の子供たちに昔話を披露したり、ベーゴマで遊んだりするというシーンで活かされる。地元では狐としてわりと受け入れられているらしい。
明るく、楽しく、暖かい世界。ハラハラドキドキな恋模様とか、謎めいた秘密にときめいたりとか、そう言うことは全くない。あくまでも大人の暖かい恋愛。そういった落ち着いた雰囲気のラブコメが読みたい人に読んでほしい。ホントに。
ケモナーに目覚めるかもしれない。