廃深2のストーリーを考えます。ついでに廃深についても考えたら結構長くなってしまったけど、個別記事にするほどでもないので一気に書きます。
それぞれのネタバレに注意。
前作のストーリー
廃深のストーリーを先におさらい……と言っても、先に言っておくが今作とはあんまり関係ないのでさらっとしておく。
前作は「ななチャンネル」の面々が N県堵替塚(とがえづか)市にある廃墟「ホテル イザナミ」をバズ目的に探索する。というお話。
ホテルに閉じ込められ、動く着ぐるみに襲われる。着ぐるみは廃深2でも友情出演をしてくれている。
この着ぐるみ自体はホテルのマスコットではなく、ホテルのすぐ近くにあった遊園地「都替塚ドリームランド」のマスコットキャラらしい。閉園に伴って移設展示したとか。
襲ってくる着ぐるみにはホテルのオーナーの霊が乗り移っていたが、なんやかんやあってその娘と一緒に成仏する。
そもそもなぜオーナーがおかしくなっていたのかというと都替塚という土地に問題があった。
元々遊園地があったあたりは子捨て山だったらしく、建設時には多くの子どもの骨が発掘されている。
そしていまだに子どもの霊がうろちょろしており、その霊が原因でオーナー父娘は死に、成仏しきれずにホテルの怪異となっていた。
ななチャンネルのメンバーはなんやかんやあってお堂に人形を奉納してホテルから脱出した。
ちなみに終わった後も子どもの霊による怪異は続く……的な描写はある。ただし今作とは関係ない(はず)
白石 梓とオーナーの関係
名言はされていないが、『白石 梓』はどうも亡くなったオーナー父娘と血のつながりがあるっぽい感じの匂わせがある。
梓は作中でオーナー父娘が成仏した際に5歳の時に無理心中で父と姉を亡くしている旨を発言している。
オーナー父娘は15年前に死亡しており、その際の年齢は父(35)、娘(7)とのこと。ちなみにニュース記事によると梓の発言と同じく無理心中とのこと。
(実際の死因は娘は惨殺、父は不明。娘を惨殺したのはおかしくなった父っぽい)
梓は「当時両親はすでに離婚していた」と言っている。
オーナーの手記でも家族は娘が一人登場するのみで、他の家族(母親など)は登場せず、一人親っぽい感じの苦悩を出している。
梓は父と姉が無理心中したのは5歳の時と語っているが、それが何年前の話かはわからない。
ただ現在の年齢はバッドエンド時のニュースを見る限り20代らしい。
梓と奈々は小学校からの幼馴染だが、美桜は大学入学あたりからの知り合いである(っぽい1)。距離感とかを考えると美桜たちは大学2年生くらいが妥当だと思う2。
(全員が20の誕生日を迎えている&服装が春っぽい&植生的に秋でもなさそうということを考えると、全員が4月生まれでもない限り大学3年生という可能性もあるが……)
まぁとにかく梓が大学2年生の20歳とする。オーナーの娘は15年前に7歳。梓の当時の年齢は5歳。梓の場合、15年前は4〜5歳なので姉が無理心中したという話に矛盾はない。
時々現れる幻影について
ここからは『廃深2』の話。
時々現れるネガティブ幻影について。
最初に幻影の目的とか、なにを言ってきたかをまとめてみる。
- 陽葵:承認欲求の権化。ハッピーモンスターに藍那や雅を襲わせてたくさん撮れ高を稼いじゃおう!
- 藍那:裏切られるの怖すぎ。先に裏切ったほうが勝ち!
- 雅:どうやってもお母様は振り向いてくれないから全部諦めよう!
そーもそもこいつらってなんなの?という考察をするとハッピーモンスターの欠片みたいなものだと思っている。
個別バッドエンドの条件は各キャラの狂気度が『高』の状態で脱出しようとすること。
狂気度が『高』状態で脱出すると、各エンディングでは各キャラが奇行……というか凶行に走る。
陽葵は次の獲物を探し、藍那は元の友達を廃墟に送り込み、雅は家に放火してお母様を追いかけまわす。
(余談だけど、陽葵だけブラウザ越しに手を伸ばしてくる超常現象を使ってくるが、ハッピーモンスターと直接繋がってるから能力が直接強いんじゃねと書いてて思った)
この幻影たちはストーリー中でも時たま出てくる。
ここで思ったのはバッドエンドの状態は狂気度『高』だが、そもそもデフォでは狂気度『低』であること。
狂気度『無し』ではなく『低』なので、開始時点でそれぞれ狂気の目を含んでるのだと思われる。
それは廃墟に踏み込んだからで、すなわちハッピーモンスターと接触したから、内にハッピーモンスターを取り込んじゃったからだと思う。
各キャラはバッドルートでは最終的にハッピーモンスターと共存する。
陽葵も藍那も雅も、自分の欲求で人を殺すようになる。
行動原理こそ有名になりたい、友達を作りたい、お母様に自分を見てもらいたいと本人の意思っぽく動いてるが、結局は「赤になるならいっかぁ」とハピモン的動機が見え隠れする。
故に狂気度『高』は完全にハッピーモンスター因子が各キャラに取り込まれた状態と言える。しかし『低』でも因子は入っている。
陽葵に関しても幻影は「ハッピーモンスターはあたし(陽葵本人)と願いが共鳴したから目覚めた」と言っている。
確かに陽葵は「人気者になりたい、有名になりたい」という理由で危険な廃墟探索に友人を連れていくという問題行為を起こしている。
ただ、それが
友だちを危険にさらしてでも有名になりたい。人に認めてもらうためならなんでもする。
ハッピーモンスターになる前の芸術家と同じ。そう。あたしはハッピーモンスターと同じなんだよ。
というほど危険な欲求だったかは疑問符だ。
確かに「友だちを危険にさらしてでも有名になりたい」という部分だけは間違いがない。だって渋る二人を無理くり廃墟に連れてきたわけだし。
しかし幻影の目的はもっと過激で『友達がハッピーモンスターに殺させた動画をあげれば有名人になれるじゃん』となっている。承認欲求を拗らせたとしてもそこまで陽葵は過激な思想で廃墟に来たわけではないはず。
なので、この幻影はそのまま陽葵や藍那たちの心理状況を反映しているのではなく、こいつらこそ『狂気度:低』の原因だと言える。
なんとなーく陽葵とハピモンの波長があったのがきっかけというだけで、個人的には陽葵のせいで目覚めたというよりは霊術師の封印が弱かったor弱まっていたのが主な原因じゃないかなぁと思う。
幻影たちが最終局面でハピモンに火をつけるな落とすな撃つなと言ってくるのはハピモンに不利なことをさせないようにしているのだと思われる。
笑顔で消えるのは幻影(=ハピモン×自分の精神)のうち自分の精神が勝ったからだと考えると納得できる。
N県堵替塚市 is どこ
個人的にはどうでも良かったけど、調べてみたら面白かったので書いてみる。
Nで始まる県は新潟・長野・奈良・長崎。
奈々曰くは
あたし、気づいちゃったのよ……
こんな都心に近いわけでもない、情報も遅いド田舎の人間は、何をしたところで所詮中堅止まりってことに……
撮影スポットや名所も無く、最寄りのショッピングセンターは車で1時間……
非常に失礼な偏見で語るが、4県全て当てはまりそうだ……。
廃深の登場人物は「生駒(いこま) 美桜」「桜井 奈々」「白石 梓」であるが奈良県には生駒市、桜井市と名字と同じ市がある。
梓だけ関連しそうな地名が「奈良市都祁(つげ)白石町」とちょっと遠い3が、とにかく全員奈良の地名に関連する名字である。
とりあえずN県は奈良県をモデルとしてるっぽい。
じゃあ「都替塚ファンタジーランド」って元ネタあるのか? と思って「奈良 遊園地 廃園」でググってみたらその名もズバリ「奈良ドリームランド」(→wikipedia)という遊園地があった。ストレートな名称もそれっぽい。
奈良ドリームランドは1961年開業、2006年閉園とのことだが、改めて廃深の会話を見返していたら奈々が「都替塚ファンタジーランドは40年ほど運営していた」と言っていたので元ネタで間違いなさそう4。
奈良ドリームランドは奈良市にあったとのことだが、じゃあ奈良市が元ネタなのか? 奈良市って「都心に近いわけでもない情報も遅いド田舎なのか?」と思って地図を見てみると、奈良市も広い。
西は都心だが東は田舎と言っても差し支えないかもしれない(奈良にわか並感)
まぁただ奈々達が都替塚に住んでるとは明言されていない。
正直これ以上はよくわからん推測だし、モデルは奈良っぽいね、以上は無粋だと思うのでやめておく。
ちなみに「N県」は『廃深』でニュースのナレーターがN県と言ってたり、『廃深2』でも新聞記事に『■県』と書かれている。
この廃深世界においてN県というのは伏字ではなくマジで「N県」という県名になっていると思われる。
終わりに
書きたいこと書いてたら結構長くなったのでここら辺にしておく。廃深2は結構わかりやすく作られているのでよかった。
ハピモンに関しては書いててほぼ幻影とイコールで繋がっていたので省いた。幻影はハピモンの影響で現れている、と念頭に置いておけば廃深2はほぼ読み解けると思う。
廃深をプレイしてないけどサクッと前作のストーリーを知りたい人は漫画版がある。こっちは一巻に話を集約してる都合上、梓と姉の話が省かれている。
スピンオフである廃深零もあるけどこっちはパラレルなので注意。
廃深も廃深2も、まとめると以下の言葉に集約する。
・お邪魔します!
・『廃深』シリーズの考察整理助かりました!!
・自分のコメントは、パラレルワールドな『廃深 零』もちょいちょいつまみますので、信憑性はあまりないと思いますが、ご容赦を(苦笑)。
http://www.raifuku.net/special/wolf/map/area/kinki/shrine/makamigahara/makamigahara.html
・長々と失礼致しました。今後の投稿もお待ちしております。
コメントありがとうございます。
別作品でも言及があるのですね。チェックしていませんでした。情報提供ありがとうございます。
他の方の意見を聞けるのは貴重ですのでありがたいです。
今後もご意見をお待ちしております。