友人からもらったので食べてみます。
経緯
友人から誕生日プレゼントとして「レーション」をもらいました。誕生日プレゼント……?
「レーション」としか言われていなかったので何軍のものが送られてくるんだろう……とドキワクでした。開封してみたらMREと書かれています。アメリカ軍のものですね。
ただ私自身ライトなミリオタなのでこういうのは結構気になります。私、気になります。
というわけで開封して食べていきます。
開封
一番上の袋は上側を摘むと開けることができます。
更に開封。
こういうのって最悪道具がなくても食べれるくらいの印象はあったのですが、そこまで限界を切り詰めてるわけではなさそうです。スプーンがついてきて安心しました。
実食
バーベキュー味コーンナゲット
どれから食べればいいかわからないので、触れた感じで最も固形で、そのまま食べれそうなコーンナゲットを食べてみます。
しまった……これどう考えてもお菓子だ……
味はバーベキュー味と銘打ってるだけあって、バーベキュー味です。
コンビニやスーパーで売られている「バーベキュー味のスナック」と大して変わらないですが、結構味が濃ゆい。
味が濃いのは前線で働く兵士のためでしょうか。汗水流して疲れたぜ〜ってなってる時に薄い味のスナックを出されたらキレるかも。そういう意味だとこのスナックはとても美味しい。
食感は硬め。サクサクというよりはザクザクです。まぁ、硬めというだけでどうしようもなく硬い、というわけではないです。コンビニで売られてるお菓子よりは硬い。
硬いのは、このパッケージの中で唯一の硬い食べ物だからかな〜という印象。全て食べた後から振り返ると、唯一の「しっかり噛んで食べる」食事でした。
あと、輸送とか保存に耐える目的もあるのかなと。軍用レーションなので空気を詰めて崩れにくくするとかできませんし、コンパクトに収まっても他の荷物に負けずに形を保ち続けるのもあるかもしれません。
ただ、最初に書きましたがこれおやつですね……最初に開けたのは失敗でした。
ヒーター
MREには薄型のヒーターが付属していました。
使い方を見てみると、下側の二重線の間くらいまで水を入れろ、上の線は越えるな、ということみたいです。
水を入れてみましたが、想像より必要な水は少なく、ほんの少しで良かったです。
入れてみるとシューシュー炭酸が弾けるような音がします。結構音はします。想像よりは大きいですが、うるさいというほどじゃないです(耳障りじゃないけれど、普通にシューシュー鳴ってんな、とは思います)
放っておくとかなりの高温に。触れるとアチッ!!となるほどではなくとも2〜3秒も触れると火傷になるな、という感じ。
プレーントルティーヤとホワイトチキンの塊(直訳)
チキンを温めている間にトルティーヤを開けてみます。プレーンと書いてあるのでそのままですね。
そもそも実はトルティーヤを意識して食べたことはないので調べてみましたが、トルティーヤは「小麦やトウモロコシの粉からできた薄焼きパン」とのこと(Google Bard談)。
開けてみると2枚出てきました。1枚しかないと思ってたので嬉しい誤算です。
流石にこれそのまま食べるわけにもいかないよな〜と思って、温めていたWhite Chicken Chunks を取り出します。意訳すると鶏肉の白身でしょうか。
名前からはコンビニのサラダチキンのようなものを想像していたのですが、出てきたのはいくつかに分割された鶏肉の水煮でした。
開けた時の匂いはマジでサバの水煮の缶詰を開けた時のような匂いがしました。あそこまでクセは強くないですが、とにかく水煮特有の匂い。
チキンをとりあえずそのまま食べてみましたが、とにかくやわらかい。鶏肉はとにかく硬いとかパサパサしている印象があるので、個人的には食べやすい。
ただ、水煮なのでそのままだと味付けがない。一食ならギリ食べれないこともないけど、これを毎食出されるときついなという感じ。
というわけで付属のバーベキューソースをつけてみる。バーベキューソース、何につければいいかわからないんだけどこれ以外にかけるのないんだよな……。でも水煮にバーベキュー……?という感じはする。
バーベキューソースは……どこかで食べた味ではあるんだけど思い出せません。少なくともさっき食べたコーンナゲットとは違うバーベキュー味です。
アメリカのバーベキューソースなのかなぁ。日本の焼肉のタレとは全く違う。食べたことはあるんだけど、普段食べる味ではない……。
アメリカンなバーベキュー味。正直これをかけて食べるのが正解なのか?と言われるとわからない。でもこれ以外にかけるものないし正解なんだろな……。
水煮には合わないなぁ……少なくとも日本人向けじゃないなぁ……
この鶏肉の水煮はトルティーヤに挟んで食べるのが正解なのだろうか?
トルティーヤは何かしら挟んで食べるのが正解だとは思うんだが、正直この水煮は積極的に挟みたい味じゃないんだよな……。
と思いつつ挟んで食べてみると、結構悪くない味。炭水化物って偉大だ。
そもそもプレーンな何も挟んでいないトルティーヤも試しに頂いてみる。正直、すごく美味しい。生地にも味がしっかりあるから、正直量はともかく味だけならそのままでも全然イケる。
意外にも水煮チキンで食えない味ではない。ただ、汁が垂れてくるのはちょっとイヤだな〜。普通に手が汚れる。
味としては外食しに行ってこれ出てきたらかなりゲンナリするけど、被災した後の避難所とかで出てきたらめちゃ嬉しいくらいの味。
トルティーヤの完成度は保存食ということを考えるとかなり高いと思う。普通に美味しい。鶏肉のビチャビチャ具合は残念だが。
最後に「チーズスプレッド」を開けてみる。普段の生活でチーズを食べる食文化ではないので正直なところ、チーズに特別ありがたみを感じるタイプでもない。
「チーズスプレッド」はググってみたらそのものズバリ「塗るタイプのチーズ」らしい。
試しに舐めてみると、これまた濃ゆい。特に塩味を隠す気もないくらい塩が入っている。
なんだかんだチーズ×トルティーヤが一番美味しい気がする。
チキンを更に混ぜてもいいけど、チキンの水っぽさがどうしても足を引っ張る……。
もし同じレーションを食べる人がいるなら、トルティーヤ→チーズ→水煮チキン→BBQソースの順で組み合わせることをお勧めします。バーベキューソースは最後だコレ……
ヨウ素添加塩
まとめられてるアメニティみたいなものがあり、その中に塩がありました。
IODIZED SALTってなんだ……?と思って翻訳してみるとヨウ素添加塩らしい。
ヨウ素と言ったらうがい薬くらいしか知らないぞ……?と思って調べてみると、そもそも人体に(ごく微量が)必須のミネラルらしい。
日本人の場合コンブとかワカメとかにバカほど(文字通りバカほど)含まれているのでわざわざ接種する必要がないが、海藻類を食べる文化がないところだとわざわざ塩とかに添加してるらしい。はえー。
ヨウ素(ヨード)が不足する国や地域では、ヨウ素欠乏症を防ぐために食用塩にヨウ素が添加されることがあります。
日本人はヨウ素を含む海藻類をよく食べますのでヨウ素の摂取不足から起こる病気にかかる心配はありません。
なお、ヨウ素(ヨウ化物)は日本では食品添加物として認められていませんので、国内で生産、販売される食用塩に添加すること、添加された食用塩を輸入することは禁止されています。
…………見なかったことにしよう。
さて、そんな塩だが味は普通に塩。そもそもヨウ素を添加するにしてもごく微量なので、味に影響が出ることがないのだと思う。サラサラ系の塩でした。
でもこれどう考えても水煮チキンに使うべきだったんだよな。
しょうがないのでご飯にかけて食べてみました。握ってない塩おにぎりという感じでした。米はうまい。
照り焼きビーフスティック
TERIYAKI BEEF STICK と書かれたものを開けるとまさしくビーフなスティックが出てきました。
見た目はかなりジャーキーです。
まぁ……見た目通りジャーキーです。
もそもそとはしていますが柔らかくて食べやすいです。
味も美味しい。他のものは塩辛い味付けがベースでしたが、このジャーキーは全然塩辛くないです。思ったより食べれます。
FIRST STRIKE 栄養豊富なエナジーバー(直訳)
チョコレートバー?を食べます。
匂いは美味しそうです。チョコレートの匂いがします。
包装に書かれている栄養価は270キロカロリーです。まぁまぁありますね。
か、硬い……!
嫌な方向性で硬いです。サクッ、とかザクッとか言う硬さじゃなくて、モッソォ……って感じの硬さ。すごく……もそもそしています……。
食感は硬くてザラザラしているチューイングキャンディーという感じです。嫌な食感のりんご飴みたいな。
チョコレートの匂いはちょっとするけど、チョコレートの味はほとんどしません。ってよくみたらチョコレートフレーバーだった……。
感想としては致命的に不味くはないが、別においしくもないという感じだ。
カロリーを接種する目的以外じゃ食わないかな……。
グレープジュース
グレープジュースを飲んでみます。
中に入ってる粉末を20オンスの水に溶かせばいいらしい。
……20オンス……?
アメリカ軍はいまだにヤードポンド法を使っていることを実感した上で20オンスは何mlかGoogleに聞いてみると「約590ml」らしい。590ml?!
590mlが入る容器なんて……これくらいしかないぞ?!
混ぜてみるとこんな感じ。粉もちょっとだけ出してみました。すっごい色……!
更に混ぜてみるとドス黒い色に。25gの粉末の中にどれだけの着色料があるんだ……?
味は「うっすいブルーベリージュース」という感じ。別に飲めないわけじゃない。
薄いけど、個人的には結構悪くない。というか薄いのが良い。ゴクゴク飲める。
汗かいた後に飲むなら濃い飲み物より薄い飲み物というか、ポカリとかアクエリアスを薄めて飲むのに近い。水に飲みやすい味付けしてるのかな〜って感じ。
フルーツポンチ
今回の中で最も意味わからんもの、それはフルーツポンチ。明らかに粉末なんだよな……。
フルーツポンチってやっぱりこんな感じだと思うけど、どう見ても粉末なんだよなコレ……
中を開いてみるとやっぱり粉しかない。
水を12オンス(=355ml)入れるらしい。
入れたら例によってすごい色に……。スプーンについてる色から察してほしい。
説明文を読んだ感じだと「このパックに水を入れて振ってね!」という理解だったけど、なんか違うのでタンブラーに移して飲んだ。
味は……なんだこれ……すごく人工的なジュースって感じ。フルーツポンチ……?フルーツ……?
先ほどのグレープジュースと比べると人工的な甘味が目立つ。あんまり濃くないのでゴクゴク飲めるのは良い。良いけど……何がフルーツポンチなんだ???
ガム
ガム。
ミント味。以上。
FPSやりながらクチャクチャしてたらちょっと成績良かった。ありがとう。
総評
- 基本的にどれも塩辛い
- 水煮チキンベッちゃべちゃで食いづらい。不味くはないけどトルティーヤがべちゃべちゃする
- 塩はチキンに使うべきだった
- エナジーバー入れるくらいなら照り焼きビーフスティック3本入れて欲しい
- グレープジュースとかフルーツポンチは水筒に入れる用なのか、めちゃくちゃ水がいる。そして味が薄いのでゴクゴク飲める
全体的に運動して汗かきまくった後に食べる前提かな〜って思った。
保存食としてはバリエーション豊かで美味しいとは思う。保存食としては。
Wikipedia読んでたら(いくらかパターンがあるとはいえ)これで1ヶ月過ごさせられた部隊があったらしいけど、流石に1週間くらいでキツくなると思う。
総評としては言われてるほどマズいものじゃなかったです。まぁ士気に直結するので、これくらいは美味しいよねって感じ。
保存食とか携帯食と考えるとこれ以上を望むのは贅沢でしょう。
日本人でもそれなりに美味しいと感じたので、アメリカ人ならもうちょっと美味しいと感じるのかもしれません。
今回食べたMRE Menu.5です。
記事中のタンブラー(の後継品)。保冷保温がバッチリでかつ頑丈なので愛用してます。